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ミャンマー・ダイアリーズ/白骨街道 ACT1

上映スケジュール

2023/8/21(水)〜9/3(日)

[8/21〜27]11:00〜12:30
[8/28〜9/1]19:20~20:50
[9/2・3]17:00~18:30

料金

大人:1,700円
大学・専門学生:1,500円
高校生以下:1,400円

©The Myanmar Film Collective

ミャンマー・ダイアリーズ

圧政に突如奪われた市民の日常――。
匿名の映画作家たちが放つ、世界に向けた命がけのSOS

東南アジアの国、ミャンマー。民主化にむけて変革が続いたこの10年、市民は自由と発展への希望を抱き始めていた。しかし2021年2月1日、軍が再び国の支配に乗り出し、反発した民衆による大規模な抗議デモが全国各地で勃発。人々は抵抗のシンボルとして“3本指”を掲げて軍政に反対する声をあげるも、一人の少女の死を皮切りに軍の弾圧行為は激化し、人々の自由と平穏な暮らしは崩れていく……。
インターネットは定期的に遮断され、軍に都合が悪い情報を発信するメディアやSNS投稿が処罰の対象となるなど、国内外に情勢を伝えることが困難な中、若手ミャンマー人作家たちが自らの匿名性を維持しながら“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”を結成。それぞれの日常から生まれた10人の映画監督による短編映画とSNSに投稿された一般市民の記録映像をシームレスにつなぎ、抑圧された日常における切実な”一人称の物語”を紡いでいく。
このたび解禁となる予告編は、軍への抗議を示す“3本指”とデモの場面から始まる。つぶやき声と交互に差し込まれる悲痛な叫び声の間からは、ミャンマーの生々しい日常が浮かび上がってくるようだ。またポスタービジュアルでは、コロナ禍の抗議活動を象徴するマスクとヘルメット姿の人物のシルエットを背景に、「SAVE MYANMAR(ミャンマーを救え)」「STOP KILLING OUR PEOPLE(私たちを殺すな)」「RESPECT OUR VOTE(我々の選挙権を尊重せよ)」「RELEASE OUR LEADERS(私たちのリーダーを解放せよ)」「WEWANT DEMOCRACY(私たちは民主主義を望んでいる)」といった市民の声、また劇中でアニメーションとして描
かれる“蝶”をレイアウトし、「どうか私たちの声が届きますように」というコピーとともに映画のメッセージをストレートに表現したものになっている。
ドキュメンタリーとフィクションを行き来しながら、圧政下のミャンマーにおける市民の声の断片を生々しく伝える本作は、世界の話題から忘れ去られつつあるミャンマーで今なお生きる人々の”叫び”を伝える、きわめて重要性の高い作品と言えるだろう。
なお、配給元の株式会社E.x.Nでは、本作の興行収入より映画館への配分と配給・宣伝経費を差し引いた配給収益の全額を支援金とし、ミャンマー避難民の生活支援活動を行う団体・施設に寄付をおこなう。
 

STORY

2021年2月1日、軽快な音楽に合わせてエクササイズの動画配信を行う女性。その背景には慌ただしく軍の車両が集結していく。抗議活動に参加した事により指名手配をうけ、引き裂かれるパートナー。理由もわからず拘束される母を守るため、必死に抵抗する幼い子ども。軍と戦うために地元を離れて戦闘訓練を受ける若者たち。自身が拘束される様子を必死に配信するジャーナリスト。パンデミックの最中に隣国に一人で避難した女性は隔離中のホテルで平和だった頃の記憶をノートに綴る――。映画はドキュメンタリーとフィクションを横断し、圧政下のミャンマーにおける市民の声の断片を生々しく伝える。


2022年/オランダ・ミャンマー・ノルウェー/70分
監督・制作:ミャンマー・フィルム・コレクティブ(匿名のミャンマー人監督たちによる制作)

©企画・配給:株式会社E.x.N 協力:藤元組FSC

白骨街道 ACT1

ミャンマー、ゾミ族の人々の視点から問いかける
私たちの”戦後”

インドとミャンマーの国境地帯、山奥深くに暮らすゾミ族たち。かつての第二次世界大戦の爪痕が残る地で、日本兵の骨を発掘するため、今日も彼らは車を走らせる――。
昨年、来日したベトナム人労働者を描いた話題作『海辺の彼女たち』(2020/日=ベトナム)で、新藤兼人賞金賞、TAMA映画賞最優秀新進監督賞はじめ多数の映画賞を受賞した藤元明緒監督の新作短編『白骨街道 ACT1』。
2019年1月。藤元監督を始めとする制作チーム5名は、今では軍のクーデターの影響により撮影することが困難なミャンマー・チン州に滞在し、第二次世界大戦の体験者を取材。彼らの視点から語られる戦争体験を知る。
インパール作戦で亡くなった日本兵の遺骨収集を行う現地の少数民族・ゾミの一団に同行するなかで、彼らに出演を打診し、取材で得た"記憶"や"声"を込めたフィクションとして本作を撮影した。なお、『白骨街道』は今後長編化を視野に入れたシリーズを構想しており、本作はその第一弾となる。
撮影の岸建太朗は、祖父をビルマ戦線で亡くしている。岸のカメラが見つめる景色、そして現在、遺骨収集作業を中心となって行っているゾミの人々の存在が、私たちの"今"と"昔"を結びつける。鍬を振るう若者たちの手によって地表から立ちのぼるのは、未だ漂い続ける恐怖と戦慄。失われていく記憶を掘り起こす現地の人々の視点が私たちに問いかけるものとは―。
これまで日本に生きるアジア人を描いてきた藤元監督が描く、アジアの人々の仕事を通じて見つめる私たちの“戦後”。
 

STORY

ミャンマー北西部、チン州。
2000m級の山々が連なる
インドとの国境地帯にほど近い小さな山村。
 
早朝、男たちが集まっている。鍬やショベルを運び込むと、
彼らを乗せた一台の車が山道をガタガタと走っていく。
 
十字架のもとで、先祖と神に祈りを捧げる。
「この仕事を愛とご加護によって続けて来られたことに感謝します。
山の精霊たちよ、お見守りください。アーメン」
 
目的地に到着すると、若者たちが指示に従って草を刈り、地面を掘り起こす。
「日本兵はこういう穴に隠れて身を守っていたんだ」
目星をつけた場所を、交代交代に掘っていく。
 
休憩の時間。年長者が語る。
「日本軍は戦いに負けて帰って行ったが、
日本兵や戦争への恐怖はこの地に残り続けた。」
 
「全てを奪われたんだ、食料も家畜も。
サーベルで首を切られた人もいた。
カンザウン村の村長に教えてもらったことだ。」
 
「あの頃を知る人はどんどん亡くなっていく。
恐怖を心に残したまま…。」
 
鍬を振り、ショベルで土を掘り続ける男たち。
霧が立ち込める先へ、今日も彼らは車を走らせる。


2020年/日本=ミャンマー/16分
構成・監督・編集:藤元明緒
撮影:岸建太朗
音響:弥栄裕樹
プロデューサー:渡邉一孝、キタガワユウキ

大須シネマ
名古屋市中区大須三丁目27番12号
052-253-5815
info@osucinema.com


営業時間
当日一回目の上映の30分前
開館・チケットの販売開始
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